パトラッシュが運んだ牛乳の樽
ベルギー人がフランダースの犬のアニメを見た時にまず思う事「それはオランダだよ!」もし日本の時代劇にチャイナドレスを着た女優が現れたら・・・いざ自分の立場に
立てば「ああなるほど」と思いました。私はディディエ・ヴォルカールトさん(フランダースの犬ドキュメンタリー映画制作者)とお話した際にこの事を聞き、もっと深く
ベルギーの文化を知りたくなりました。異文化の誤解は交わりの始まりでもあり更に深く交流をする為にどうしても必用な事です。と同時にとても楽しい事でもあります。
私は今回フランダース南部にありますボックレイク公園へ向かいました。そこには現在近代化が進み現在のベルギーでは見る事の出来ない当時の生活様式や建物、そして実際
にその公園では擬似的に建物を使い公園のキャストが暮らし解説をするという本当に素晴らしい公園で1800年代等で実際に使われていた家を移動して建てたりとベルギーの昔の
文化を知る上で非常に貴重な施設でもあります。
ベルギーの実際の生活様式を見る事によって沢山の新しい発見がありました。非常に沢山あるのでこれからひとつづつご紹介したいと思っていますが今回は牛乳の樽に注目
しました。私達日本人はどちらかというとシルバーの寸胴型の牛乳の樽を連想します。しかしその寸胴型はかなり近代的かつ米国での過去の作品の影響が色濃く残っている感があります。
実際のベルギーの当時使われていた牛乳の樽はこの様に花瓶の様な形をしています。
過去実際に使用されている写真や絵画にもこの花瓶型の樽が使用されています。逆に寸胴型での樽を使用した写真等の資料は現時点では確認出来ません。1872年当時はこの
形の牛乳の樽が使用されたと想定するのが自然かもしれません。
この写真の荷車はとても大きく犬が3匹もいます。パトラッシュはもっと小さい牛乳が少ししか運べない荷車だったでしょう。やはり作者ウィーダはネロとパトラッシュの
置かれた状況を最も貧しい位置づけにしている事がこの写真を見ても伝わってきます。
K.Oshima 7/June/2010
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